「疲れた心に強い翼を! -You are loved- あなたは愛されている」のサイトマップ


命令法 -「王国行間逐語訳」(新世界訳聖書翻訳委員会,1969年,1985年)を活用する-

- 「王国行間逐語訳」(新世界訳聖書翻訳委員会発行)を活用する -
行間の英語の形から分かるギリシャ語動詞の文法




Ⅰ. 現在時制
(英語では,「~していなさい
という形の
命令形

動詞のこの形は継続的な行為を示唆している。
「参照資料付き聖書」マタイ6:33脚注。


時制 人称 行間英文
命令法 現在 能動態 一人称 - なし -
- なし -
二人称 be ( you ) ~ing
例えば,テトス2:6の
“παρακαλει”
be ( YOU ) ~ing
例えば,エフェソス5:25;
コロサイ3:19;
マタイ5:44; ルカ6:35の
αγαπατε

: この “αγαπατε”「アガパーテ」
という形の同じ変化形が,
「現在直説法」および,
「現在接続法」の二人称複数
にも用いられているので,
間違えないよう注意が必要。

他に,マタイ7:7の
Αιτειτε
ζητειτε
κρουετε

三人称 let ( him ) being
例えば,エフェソス5:33の
αγαπατω
let ( them ) being
例えば,テトス3:14の
“Μανθανετωσαν”
受動態 一人称 - なし -
- なし -
二人称 be ( you ) being + 過去分詞
例えば,ローマ12:21の
“νικω”
be ( YOU ) being + 過去分詞
例えば,エフェソス6:10の
“ενδυναμουσθε”
三人称 let ( him ) bebeing) + 過去分詞
例えば,ローマ14:5の
“πληροφορεισθω”
let ( them ) be being + 過去分詞
例えば,テモテ第一3:10の
“δοκιμαζεσθωσαν”
中動態 一人称 - なし -
- なし -
二人称 be ( you ) ~ing
例えば,テモテ第二2:16の
“περιιστασο”
be ( YOU ) ~ing
例えば,コリント第二6:17の
“απτεσθε”
三人称 let ( him ) be being + 過去分詞

新約聖書中二回
ペテロ第一4:16;
コリント第一11:6
“αισχυνεσθω”
“κατακαλυπτεσθω”)

let them be putting beside for selves

新約聖書中一回
ペテロ第一4:19
ギ語“παρατιθεσθωσαν”)

能動欠落 一人称  
 
二人称  
 
三人称  
 

 




Ⅱ. 不定過去時制(アオリスト)
(英語では,
命令形の形)

時制 人称 行間英文
命令法 不定過去
(アオリスト)
能動態 一人称 - なし -
- なし -
二人称 動詞の原形
例えば,使徒16:31の
“Πιστευσον”
動詞の原形 ( YOU )
例えば,ペテロ第一1:22の
αγαπησατε
三人称 let ( him ) + 動詞の原形 
例えば,ルカ23:35の
“σωσατω”
let ( them ) + 動詞の原形 
例えば,コリント第一7:9の
“γαμησατωσαν”
受動態 一人称 - なし -
- なし -
二人称 Be ( you ) + 過去分詞
例えば,マルコ7:34の
“Διανοιχθητι”
Be ( YOU ) + 過去分詞
例えば,ヤコブ4:7の
“Υποταγητε”
三人称 let ( it, him ) be + 過去分詞
例えば,使徒2:38の
“βαπτισθητω”
let be darkened

新約聖書中一回
ローマ11:10

ギ語“σκοτισθητωσαν”)

中動態 一人称 - なし -
- なし -
二人称 動詞の原形 ( yourself )
例えば,ヨハネ9:7,11の
“νιψαι”
動詞の原形 ( YOU )
+ ( yourselves, selves )
例えば,コロサイ3:12
エフェソス6:11の
“Ενδυσασθε”

他に,ヨハネ15:7の
“αιτησασθε”

三人称 let her be shorn

新約聖書中一回
コリント第一11:6

ギ語“κειρασθω”)

- なし -
能動欠落 一人称  
 
二人称  
 
三人称  
 

 



Ⅲ. 完了時制
(英語では,
完了形の分詞の形)

時制 人称 行間英文
命令法 完了 能動態 一人称 - なし -
- なし -
二人称 - なし -
having過去分詞
例えば,エフェソス6:8,9の
“ειδοτες

このギリシャ語の変化形は,
他に,ローマ13:11;
コリント第一15:58;
ペテロ第一1:18にあるのみ。

ただし,これは「命令法」ではなく
「完了分詞」なのかもしれない。
「Online Bible」では,
Tense-Perfect
Voice-Active
Mood -Participle
と表記されている。

三人称 - なし -
- なし -
受動態 一人称 - なし -
- なし -
二人称 be having been muzzled

新約聖書中一回
マルコ4:39

ギ語“πεφιμωσο”)

もし,他に例としてあげた
「能動態二人称複数」と
「受動態二人称単数」の動詞が
命令法」ではなく
「完了分詞」だとすれば,
このギリシャ語が,
新約聖書における
現在完了命令」の
唯一の箇所と考えられる。

having been rooted

新約聖書中一回
コロサイ2:7

ギ語“ερριζωμενοι”)

ただし,これは「命令法」ではなく
「完了分詞」なのかもしれない。
「Online Bible」では,
Tense-Perfect
Voice-Passive
Mood -Participle
と表記されている。

三人称 - なし -
- なし -
中動態 一人称 - なし -
- なし -
二人称 - なし -
- なし -
三人称 - なし -
- なし -
能動欠落 一人称  
 
二人称  
 
三人称  
 







幾つかの注意点:


この記事は,『王国行間逐語訳(“Kingdom Interlinear Translation”)』(新世界訳聖書翻訳委員会,ものみの塔聖書冊子協会発行,1969年[1985年]。 「リンク集」の 「エホバの証人(JW)関連のサイト」の情報も参照。)の行間の英文(注: 英文新世界訳(NWT)の英文のことを言ってるのではない)から,ギリシャ語動詞の変化形を,ある程度“推察”するための助けとして作ったものである。

しかし,これは,あくまでも大まかな目安であって,完全に当てはまる「法則」ではない。多くの「例外」もあることを,承知しておいていただきたい。(ここでは,それらの「例外」すべてを考慮することはできない。) 
もし,ギリシャ語の変化形を正確に把握したいと思う場合には,その種の辞典をご自分で買って調べることをお薦めしたい。
(リンク集の「聖書のヘブライ語/ギリシャ語(ギリシア語)辞典/コンコーダンス(聖書語句索引)」で紹介している「逆引辞典」などを参照。)


極力,“αγαπη”「アガペー」(「愛」の意)の動詞,“αγαπω”「アガポー」(または,“αγαπαω”「アガパオー」; 「愛する」の意)のすべての変化形を,ここでは「命令法」のみだが,分かるようにしてある。
その結果,ギリシャ語本文の中で用いられているすべての「命令法」の「
愛する」という動詞が,どの変化形で用いられているのか,ご自分の目で完全に確認できるようになっている。

αγαπω”「アガポー」の変化形は,すべて,赤い文字で示してある。
たとえば,「現在命令能動態二人称複数」の部分では,次のように示してある。

 be ( YOU ) ~ing
 例えば,エフェソス5:25; コロサイ3:19; マタイ5:44; ルカ6:35の
 “αγαπατε”(アガパーテ)」


新約聖書に一回,または,二回しか出てこないものは,その旨,示した。
そして,その部分に限って,『王国行間逐語訳』の行間に載せられている英文を「そのまま」載せてある。
たとえば,「現在完了命令受動態二人称単数」の部分では,次のように示してある。

 be having been muzzled
 (新約聖書中一回 マルコ4:39 ギ語“πεφιμωσο”)」


新約聖書中,その文法の形(変化形)で用いられているギリシャ語動詞が一つもない場合には,
「- なし -」と示した。
たとえば,「現在命令能動態」の「一人称」は用いられていないため,その部分は,

「- なし -」

と書いてある


人称」は,「丸かっこ」の中に(I)「私」,(we)「私たち」,(you)「あなた」,(YOU)「あなた方」,(he)「彼」,(It)「それ」,(they)「彼ら」などで示した。
このうち,「三人称単数」に関しては,「丸かっこ」の中は多くの場合,(
he)「彼」で示したが,『王国行間逐語訳』では ,その「文脈」に応じて,(It)「それ」であったり,(she)「彼女」であったりする場合がある点にご注意いただきたい。
たとえば,コリント第一7:2の聖句の中に「2回」出てくる“εχετω”というギリシャ語(「持つ」「保つ」という意味の動詞“εχω”の現在命令法能動態三人称単数の変化形)に注目してみてほしい。
その最初に出てくるギリシャ語の行間は,

let him be having

となっている。
しかし,その 同じ聖句の中の次に出てくるギリシャ語の
行間は,

let her be having

となっている。


また,この記事で「丸かっこ」の中に示した人称を示す言葉(「私」「あなた」「彼」等)は,多くの場合,『王国行間逐語訳』の行間の英文では「省かれて」いる。(ただし,この記事では,極力,「人称」がちゃんと書いてある聖句を選んで載せてある。)
もし,その「丸かっこ」の中の言葉が『王国行間逐語訳』の行間に書いてない場合,もはや,この翻訳を見るだけでは,そのギリシャ語動詞が「何人称」で「単数」か「複数」かなどの情報は,素人目にはほとんど分からないことになる。
しかし,同じ単語の同一の変化形が聖書の中に複数出てくる場合には,他の箇所を調べると分かる場合も多々あるが・・・。

ただし,ギリシャ語の動詞には「人称語尾」(英語,“Personal ending”)があるため,ギリシャ語の分かる人が見れば,それが「何人称」で,「単数」か「複数」かなどの情報が分かるようになっている。
しかし,ギリシャ人のネイティブスピーカーや,ギリシャ語の専門家でもないかぎり,難しくてよく分からない。
一番簡単なものを紹介すれば,たとえば,「解く」という意味のギリシャ語の規則動詞“λυω”の現在命令能動態の場合,「人称語尾」が

ε”「」の場合は,「二人称単数」(あなた)を,
ετε”「エテ」の場合は,「二人称複数」(あなた方)を,
ετω”「エトー」の場合は,「三人称単数」()を,
ετωσαν”「エトーサン」の場合は,「三人称複数」(彼ら

を意味する。
したがって,“λυ
ετε”とは,その人称語尾を見るだけで,「(あなた方は)解きなさい」という意味であると分かる。


では,ここで一つ,簡単な「問題」を出してみたいと思う。
フィリピ4:4
に二回出てくる“χαιρ
ετε”「カイレテ」というギリシャ語は,「喜ぶ」という意味のギリシャ語,“χαιρω”「カイロー」の現在命令法の変化形(すなわち,「喜んでいなさい」,あるいは,「喜び続けなさい」の意)であるが,これには,何人称の「人称語尾」が用いられているか分かるだろうか。すると,そのギリシャ語の意味は,どうなると思うだろうか。
 (同じフィリピ人への手紙の2:18; 3:1。および,テサロニケ第一5:16; コリント第二13:11; マタイ5:12; ルカ10:20などの“χαιρ
ετε”「カイレテ」も参照。)







index.htmlに戻る


















目次に戻る 「疲れた心に強い翼を! -You are loved- あなたは愛されている」の表紙に戻る

管理人に一言「感想」を送る      掲示板


メールアドレス


作成者情報
Copyright (c) [possible] All rights reserved.


inserted by FC2 system