生まれたこなかった子の日記　（「目ざめよ！」誌1980年8月22日号の記事）　-疲れた心に強い翼を！ -You are loved- あなたは愛されている-

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- わずか3ヶ月でこの世を去った（妊娠中絶された）胎児の日記 -
「目ざめよ！」誌1980年8月22日号より。

お腹の中の胎児は，もう生きている

生まれてこなかった子の日記

10月5日:

今日，わたしの命が始まりました。
わたしの両親はまだそれを知りません。
でも，わたしはもう生きているのです。
わたしは女の子になります。
髪は金髪で，瞳はブルーです。
ほとんどすべてのことがもう決められています。
わたしがお花を好きになることまで。

10月19日:

わたしのことをまだ本当の人間ではないと言い，
生きているのはお母さんだけだ，と言う人もいます。
でもわたしは本当の人間です。
パンのかけらだって，パンには変わりないでしょう。
お母さんは生きています。
それと同じようにわたしも生きているのです。

10月23日:

今，ちょうど，口が開けられるようになってきたところです。
1年もすれば，笑えるようになるし，
それからお話もできるようになります。
すばらしいでしょ。
わたしが最初にお話しする言葉は何か知っているわ。
ママって言うの。

10月25日:

今日，心臓が自分の力で動きだしました。
これからずっと，わたしの生きている間，やさしく鼓動を続けるのです。
幾年もたつと，心臓は疲れて，やがて止まってしまいます。
そうなれば，わたしも死んでしまうでしょう。

11月2日:

毎日，少しずつ大きくなっています。
わたしの手足は，きちんとした形になってきました。
でも，この小さな足で立ち上がって，お母さんの手につかまったり，
この小さな腕で花を集めたり，お父さんにつかまったりするまでには，
まだまだ時間がかかります。

11月12日:

手に小さな指ができてきました。
とっても小さくて，おかしな気がするくらい。
この指でお母さんの髪の毛にさわれるわ。

11月20日:

今日になって初めて，お医者さんはお母さんに，
わたしがお母さんのおなかの中で生きていることを知らせました。
お母さんは喜んでくれているに違いないわ。
そうでしょ，お母さん。

11月25日:

きっとお父さんとお母さんはわたしの名前を考えてくれているわ。
でも，お父さんもお母さんも，わたしが女の子だということも知らないの。
キャシーという名前がいいな。
わたしはもうとっても大きくなっているの。

12月10日:

髪の毛が伸びてきました。
すべすべして，キラキラ輝いています。
お母さんはどんな髪の毛をしているのかしら。

12月13日:

もう少しで目が見えるようになりそう。
わたしの周りはまっ暗です。
お母さんがわたしを外の世界へ出してくれたら，
太陽の光がふりそそぐ，お花のいっぱいある所へ出られます。
でも，何よりもお母さんを見たいわ。
お母さん，どんな顔をしているの。

12月24日:

お母さんはわたしの心臓の音を聞いているのかしら。
生まれてきたとき少し病気にかかっている子もいるらしいけど，
わたしの心臓は元気で，健康です。
心臓の鼓動が少しも乱れていないでしょ。
ほら，ドキドキ，ドキドキ。
元気な，かわいい女の子になります，お母さん。

12月28日:

今日，お母さんに殺されました。

―無名の胎児

（著作権：　ものみの塔聖書冊子協会

「目ざめよ！」誌1980年8月22日号16ページ。
「目ざめよ！」誌1984年10月22日号25ページ。
「生まれてこなかった子の日記」より。）

Diary of an Unborn Child

OCTOBER 5:

Today my life began.
My parents do not know it yet, but it is I already.
And I am to be a girl.
I shall have blond hair and blue eyes.
Just about everything is settled though,
even the fact that I shall love flowers.

OCTOBER 19:

Some say that I am not a real person yet, that only my mother exists.
But I am a real person, just as a small crumb of bread is yet truly bread.
My mother is. And I am.

OCTOBER 23:

My mouth is just beginning to open now.
Just think, in a year or so I shall be laughing and later talking.
I know what my first word will be:
MAMA.

OCTOBER 25:

My heart began to beat today all by itself.
From now on it shall gently beat for the rest of my life without ever stopping to rest!
And after many years it will tire.
It will stop, and then I shall die.

NOVEMBER 2:

I am growing a bit every day.
My arms and legs are beginning to take shape.
But I have to wait a long time yet before those little legs will raise me to my mother's arms,
before these little arms will be able to gather flowers and embrace my father.

NOVEMBER 12:

Tiny fingers are beginning to form on my hands.
Funny how small they are!
I'll be able to stroke my mother's hair with them.

NOVEMBER 20:

It wasn't until today that the doctor told mom that I am living here under her heart.
Oh, how happy she must be!
Are you happy, mom?

NOVEMBER 25:

My mom and dad are probably thinking about a name for me.
But they don't even know that I am a little girl.
I want to be called Kathy.
I am getting so big already.

DECEMBER 10:

My hair is growing.
It is smooth and bright and shiny.
I wonder what kind of hair mom has?

DECEMBER 13:

I am just about able to see.
It is dark around me.
When mom brings me into the world it will be full of sunshine and flowers.
But what I want more than anything is to see my mom.
How do you look, mom?

DECEMBER 24:

I wonder if mom hears the whispering of my heart?
Some children come into the world a little sick.
But my heart is strong and healthy.
It beats so evenly: tup-tup, tup-tup.
You'll have a healthy little daughter, mom!

DECEMBER 28:

Today my mother killed me.

-Anonymous

Copyright (c) Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania

Awake!, May 22, 1980, p. 16
“Diary of an Unborn Child”