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ジョセフ・マーフィー博士が言うところの「大衆の心」(集合的無意識)とは?

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大衆の心』とは,具体的に何を表わすのであろうか。

ジョセフ・マーフィー博士が,“最晩年”に書いたという

   『マーフィー あなたの夢はきっとかなう
    きこ書房,2005年。
    原題は,“Within You Is the Power

という本の中には,その「定義」らしきものが説明してある箇所があるので,そこからまず,引用してみたいと思う。
こう書かれている。
『わたしたちは,成人になってもまだ「よつんばい赤ちゃん」で歩いている人がほとんどなのです。「よつんばい」で歩くとは,「大衆の心」に惑わされているということです。「大衆の心は,全人類四〇億人の思想,感情,恐れ,迷信,熱意,偏見,狂信を指します
もちろん,「大衆の心」に惑わされず,科学的に信仰している人も世界中にはたくさんいます。そのような人は,
自分の潜在意識の中に,建設的で調和的な思想を吹き込んでいる
のです。
しかし,そのような人は少数にすぎません。したがって,わたしたちが
自分で考えていることがなければ,「これはわたしの中にある大衆の心なのか,それとも自分自身の考えなのか?」と,自分自身に正直に問い直さなければなりません。
比較して考えてみるのです。
永遠の真実に基づいて考えてみるのです。
正しいもの,愛らしいもの,高貴なもの,神の性質を備えているものを心に思い浮かべてください。そうして初めて,あなたは考えていることになるのです。
もし恐怖や悩み,不安にとらわれているのなら,それは大衆の心にとらわれているということです。』

マーフィー あなたの夢はきっとかなう』きこ書房,2005年。142ページ。
原題は,“Within You Is the Power

ここにあるように,『
大衆の心』とは,具体的には,地球
全人類四〇億人(現在は,60億人)の思想,感情,恐れ,迷信,熱意,偏見,狂信
を指すことが分かる。

そして,この『
大衆の心』には,ある種の顕著な“特徴”が見られる。
それは,それに惑わされると,人は,「恐怖や悩み,不安」などの“否定的な感情”にとらわれるようになる,ということである。





では,ここでもう少し,『
大衆の心』について理解するために,マーフィー博士の本から,さらに引用してみる。
以下の文章は,博士が,「占星術」に関して言及してる箇所からである。
『もし占星術占星術による予言に何らかの妥当性があるにしても,それはあなたが特定の日時に生まれたから,特定の性格や性向をしているわけではありません。だれもがその日時における,「大衆の心」や「民族意識」という「集合的無意識」状態の影響を受けていることに意味があるのです。・・・(中略)

時代をさかのぼると,人類がいかに星の巡り合わせが及ぼす影響を信じ,それに振り回されてきたかが分かります。わたしたちは皆,「大衆の心」や「民族意識」の一部分です。
ですから,高い見地から真実を熟考し,自らの心を解き放たなければ,「集合的無意識」によって皆,振り回されることになるでしょう。

マーフィー あなたの夢はきっとかなう』きこ書房,2005年。69,70ページ。
原題は,“Within You Is the Power

ここで言う「
集合的無意識」とは,スイスの精神医学者,カール・ユング(1875年〜1961年没)が提唱した「分析心理学」の中心概念となる言葉で,「普遍的無意識」(“collective unconscious”)とも呼ばれている。
ユングによれば,人間の心には,フロイトのいう「“個人的な無意識」だけでなく,「“
人類に共通の無意識」(「人類に共通している心の層」「人間が集団として共通に持っている無意識」)があるという。

これは,にわかには信じ難いことかもしれないが,私たち一人一人の心は,心の深い層(「集合的無意識」のレベル)では,「
他の人たちの心とつながっている」というわけである。


これは,昔から言われている,「噂をすれば影とやら」や,「シンクロニシティ」(「共時性」。単なる偶然にしては,できすぎていること)が,なぜ起きるのか,その理由の説明にもなる。

興味深いことに,聖書のルツ記2:3には,“良い”「シンクロニシティ」の例が出てくる。(私がここで“良い”と言うのは,“不幸な”「シンクロニシティ」もあるからである。)
ルツという名の若い女性が,将来の伴侶となる男性の畑に,「はからずも」(口語訳,新改訳) 「たまたま」(新共同訳)来て,二人が“偶然”そこで出会ったことが記されている。
そのヘブライ語には,他に,「思いがけなく」「偶然に」という意味もあるが,しかし,その「たまたま」だったその二人の出会いには,実は,単なる「偶然」以上のものがあった。-ルツ記2:19,20。





この「集合的無意識」には,「全人類」の知恵が収められていて,ある意味,素晴らしいとも言える(ある人たちは,「成功」するためには,この「集合的無意識」を“活用”する必要があると言う)。
しかし,マーフィー博士は,これを『大衆の心』と呼び,それに関して,次のような注意を喚起している。
『わたしたちは普段「大衆の心」の影響を受けています。ぼんやりしている場合だけでなく,普通に生活している限り,どんなに用心をしていても,大衆の心がもつ否定的な波長が多少なりとも入り込むことは避けられません。「大衆の心」は,聖書では「雑草」と呼ばれ,「良い草」と一緒に成長し,悪い結果をもたらします祈り(瞑想)
ですから,いつもできるだけ注意して祈りを捧げてください。神の原理を絶えずイメージしていれば,世界中の何十億もの人からの否定的な意見大衆の心)が入り込む余地はなくなります。
潜在意識の領域では,わたしたちは皆一つであり,いつもテレパシーで交信しているのです。ですから大衆の心の影響を受けてしまうのです。これを避けるために,「秘密の場所」に住み,神の陰に隠れなさいと言われているのです。

マーフィー あなたの夢はきっとかなう』きこ書房,2005年。225ページ。
原題は,“Within You Is the Power



私たちが,“頻繁に”「祈り」を捧げ,神の永遠の真実(「神の性質を備えているもの」「積極的な考え」)で“常に”心を満たすことによって,「秘密の場所」(「隠れ場」口語訳)に住み,「神の陰」に隠れることが必要な理由は,明らかである。「アレッポ写本」の詩編91編1節(旧約聖書ヘブライ語本文)(詩編91:1)

私たちが,“常に”そうしていないと,私たちの心は,いつの間にか,『大衆の心』(「世界中の何十億もの人からの否定的な意見」)の影響を受けてしまうからである。
そして,この「雑草」(「毒麦」口語訳)は,私たちの知らぬ間に少しずつ心の中で成長してゆき,「悪い結果」をもたらすのである。(マタイ13章)



続く
 
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